これで解決！注文書と注文請書の違いと作成方法をわかりやすく解説

建設業界でよく使用される注文書と注文請書について、その違いや作成方法について解説します。注文書や注文請書は、工事の追加や変更に関する指示や依頼を書面で行うための重要な書類であり、適切に作成することで、工事に関する約束事を明確にし、トラブルを未然に防ぐことができます。本記事を参考に、注文書や注文請書の作成に役立てていただければ幸いです。

注文請書とは

建設業界において、工事の追加や変更が必要になった場合、その指示を書面にして発行するものが注文書と注文請書です。これによって、工事に関する指示が明確になり、トラブルを未然に防ぐことができます。

注文書と注文請書の違い

注文書は、施工者から受注者に対して、工事の追加や変更の指示を出す書類です。一方、注文請書は、受注者から施工者に対して、工事の追加や変更を依頼する書類です。つまり、注文書は指示書、発注書、注文請書は依頼書という違いがあります。以下にそれぞれの役割を記載します。

請負契約の記載事項

注文書や注文請書には、契約書で定められた内容に加え、以下のような項目が必要です。また、建設工事の請負契約の当事者は、法第18条の趣旨に従って、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければなりません。 (法第19条第1項)

1.工事内容
2.請負代金の額
3.工事着手の時期及び工事完成の時期
4.前金払や出来形部分に対する支払の時期及び方法
5.設計変更や工事中止等の申出があった場合の工期・請負代金の変更や損害負担及び算定方法
6.天災等による工期の変更や損害負担及び算定方法
7.価格変動に基づく請負代金の額や工事内容の変更
8.第三者が損害を受けた場合の賠償金負担に関する定め
9.注文者が資材提供や機械貸与する際の内容及び方法
10.工事完成確認の検査の時期、方法及び引渡しの時期
11.工事完成後の請負代金支払の時期及び方法
12.瑕疵担保責任や保証保険契約の締結等に関する定め
13.履行遅滞等の場合の遅延利息、違約金その他損害金
14.契約に関する紛争の解決方法
（引用：請負契約書に記載すべき内容　https://www.kkr.mlit.go.jp/kensei/kensetugyo/pdf/08.pdf）

発行順序

元請けは注文書で発注の意図を示し、下請けは注文請求書で受注の意向を伝えるため、この手続きが逆になると、契約プロセスが破綻してしまいます。
つまり注文書と注文請求書を利用する場合、必ず最初に注文書が作成されるという手順があります。

注文書と注文請書のメリット

注文書と注文請書によるやり取りは、契約書と同じように書面でやり取りができるため、工事の追加や変更に関する約束事が明確になります。また、トラブルが発生した場合にも、書面でのやり取りがあることでトラブルを解決することができます。

保管期間

注文書や注文請書は、契約書と同様に、保管期間があります。一般的には、工事が完了してから7年間保管することが望ましいとされています。この期間は、トラブルが発生した場合に、必要な書類をすぐに手元に用意できるようにするためです。
（参照：https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=340M50000040012）

注文書、注文請書それぞれに必要な要素

注文書や注文請書には、以下のような要素も必要です。
・工事名
・発行日
・工事場所
・変更点
・工事期間
・金額
・支払い条件
・契約者名と住所
・発行者名と住所
・署名と押印

その他の記入項目

他にも下記の様に明確にすべきことがある場合は記載することが大切です。

工事の内容や概要

工事の内容や概要は、本プロジェクトで実施される作業や成果物を示すものであり、計画された目的を達成するために実施する工程や作業を明確に記載します。これには、建築物や施設の建設や修繕、土木工事、設備工事など、工事の種類や範囲が具体的に記載されています。

変更点の詳細

変更点の詳細は、元の契約で定められた内容と比較して、どのような点が変更されるのかを具体的に説明する部分です。例えば、工事の範囲や規模の変更、設計変更、材料の変更などが詳細に記載されます。

変更に伴う工事期間や金額の変更の説明

変更に伴う工事期間や金額の変更の説明は、変更点によって工事期間や請負代金がどのように変動するかを明確に示す部分です。期間の延長や短縮、金額の増減などが具体的な数値とともに記載され、その理由も併せて説明されます。

契約書に明示されていない事項の説明

契約書に明示されていない事項の説明は、契約書に記載されていないが、双方が共通の理解で合意している事項や、今後の工事に関連する重要な事項について説明する部分です。例えば、保証期間内のアフターサービスや、災害時の対応策などが含まれます。

変更に伴う契約書の改正方法の説明

変更に伴う契約書の改正方法の説明は、変更点が発生した場合に、どのように契約書を改正するかを明確に示す部分です。具体的な改正手続きや、必要な書類の提出方法、改正後の契約書の取り扱いについて説明されます。

まとめ

注文書や注文請書は、工事の追加や変更に関する指示や依頼を書面で行うための書類です。適切に作成することで、工事に関する約束事を明確にし、トラブルを未然に防ぐことができます。また、保管期間を守り、必要な場合にはすぐに書類を手元に用意できるようにすることも大切です。

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