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ICT施工がもたらす建設業の進化!そのメリットを分かりやすく紹介

現代の建設業界では、伝統的な手法と先進的な技術が融合し、その結果として新たな労働環境が生まれています。今後、職人の方も知っておいた方が良い知識として注目すべきは、情報通信技術(ICT)を活用した施工方法、いわゆる「ICT施工」です。この革新的な手法は、建設現場の効率、精度、安全性を大きく向上させる可能性を秘めており、その一方で初期投資や新たなスキルの習得といった課題も抱えています。ここでは、ICT施工の詳細なメリットとデメリットについて掘り下げ、その未来への影響について考察していきます。

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ICTとは


「ICT」は「Information and Communication Technology」の略で、「情報通信技術」を意味します。これはデジタル化された情報を通信する技術のことで、人々が相互に連絡を取り合ったり、情報を共有したりするための手段を提供します。具体的な例としては、スマートフォンを利用して同僚と連絡を取ることや、外出先で書類を作成して送付することが挙げられます。
ICTは、インターネットを介して人と人とを繋げる役割を持っています。この技術の重要性は、日本政府だけでなく、世界中で認識されており、その需要は増大しています。具体的には、日本の総務省のホームページなどでもICTが活用されていることが確認できます。
さらに、ICTは「Society 5.0」と呼ばれる新たな社会の構造に位置づけられています。これは、日本の内閣府が提唱する社会の進化のステージで、ITと通信技術を利用した「つながる」社会を表現しています。この指標では、Society 1.0から4.0までの段階がそれぞれ狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会を示し、Society 5.0はこれらの進化の次のステージを示します。
(参照:Society 5.0 https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/)

建設業界におけるICT

建設業界でも情報通信技術(ICT)の導入が活発化しており、これを「建設ICT」と呼んでいます。建設ICTは、建設業界における情報の収集、分析、共有などに活用され、より効率的で精確な業務遂行を可能にします。
近年の社会状況は、生産年齢人口の減少や環境問題に対する意識の向上など、多くの課題を背景にしています。これらの変化は、品質、コスト、安全性、環境に対する更なる要求を生み出しています。つまり、建設業界においては、これらの要素を含めた生産の合理化が求められています。
このような状況を踏まえ、国土交通省はICTを建設施工に利用し、施工の合理化を行うシステムの普及を促しています。具体的には、ICTを活用して施工プロセスを自動化したり、効率化したりすることで、生産性の向上やコスト削減、品質管理、安全性の確保、環境負荷の軽減などを実現しようとしています。
また、建設ICTの活用は施工だけでなく、建設プロジェクト全体のライフサイクルに及びます。つまり、調査、設計、施工、維持管理などの各フェーズでICTを活用し、全体としての効率化や生産性の向上を目指しています。これにより、より持続可能で、効率的な建設業界の実現に貢献しています。

ICT施工とは


「ICT施工」という言葉は、「ICT」(情報通信技術)と「土木施工」を組み合わせた造語です。その目的は、建設現場の作業を合理化し、安全性や施工・検査の精度を向上させることにあります。
具体的な取り組みとしては、調査・設計から施工・検査、維持管理などの各フェーズにICT技術を導入し、3次元データを作成することが挙げられます。さらに、3次元データと設計データを組み合わせることで、自動案内や自動操縦などに利用することができます。これらICTの活用により、案内や作業の簡素化が可能となり、それによって生産性が向上します。また、短時間で作業を行えるだけでなく、以前よりも正確な検査データを提供することが可能になります。
施工後の管理についても、ドローンやレーザースキャナーを利用した測量データと設計データの比較が可能です。ドローンを用いた空撮や地形測量では、例えば施工中にドローン測量を行って進捗を確認するなどの利用方法があります。また、レーザースキャナーは3次元点群データを活用して現場の高低差を平面図にしたり、土量を算出したりということができます。これらの技術は、施工の精度向上だけでなく、後続の作業をスムーズに進行させるための重要なツールとなっています。
このようなICT施工の導入は、国土交通省が中心となって推進されています。とりわけ建設・土木業界では、ICT施工が強く推奨されています。その背景には、建設・土木業界が抱える深刻な人手不足問題があるからです。ICT施工は、人手不足を補うだけでなく、労働者の負担軽減や作業の効率化、品質の向上に大きく寄与するため、これからもその導入と活用が進められるでしょう。
(参照:ドローン活用空撮・地形測量 https://www.kensaibou.or.jp/safe_tech/ict/entry/003005.html)

人材不足を補うICT導入

1992年のバブル景気崩壊をピークに、建設・土木業界の就業者数は減少し続けています。しかし、当時は人手が足りていたため、効率化が行われませんでした。この結果、若年層の定着率が下がるという問題が発生しました。
これらの問題は今日でも解決されていません。建設・土木業界は現在でも人手不足であり、さらに就業者の高齢化が進んでいます。そのため、労働環境の整備や効率化は、長年にわたり業界全体の重要な課題となっています。
このような課題に対する改善策として、国土交通省をはじめとする関連機関は、ICTの導入を進める取り組みを始めました。この取り組みは「i-Construction(アイ・コンストラクション)」と呼ばれています。i-Constructionは、情報技術を活用して建設業の労働生産性を向上させ、労働環境の改善を図るものです。
(参照:建設業界の現状とこれまでの取組 https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001314888.pdf)

ICT施工の活用場面

ICT施工は、建設業界の様々な現場で活用されています。例えば、建物や橋などの設計・施工現場では、3次元CADを活用した設計や、ドローンによる現場測量、ICT建設機械による施工が行われています。

ドローンによる3次元測量

ドローンによる3次元測量は、地表の連続撮影を行い、その写真を編集して3次元データを作成する技術です。ドローンには事前に飛行ルートが設定され、自律飛行で計測が行われます。このため、特別な操作技術が不要であることが特徴の一つです。
さらに、ドローンは低空で飛行するため、通常の航空写真と比べて解像度が高くなります。これにより、より詳細なデータを短時間で得ることが可能です。
ドローンで観測したデータから3次元図面を作成し、それを設計図面と比較することで、施工量を自動で算出することができます。このデータを基に設計・施工計画を立てることで、作業の効率化を図ることが可能です。
(参照:https://www.sky-zet.com/ict/)

ICT建設機械による施工

ICT建機とは、3Dデータを用いた座標測定を行うことができる建設機械のことを指します。このICT建機の導入は、2008年から土木業界で始まりました。
ICTを用いることで、従来の手作業による座標計算に比べて、より簡単かつ正確な計算が可能になりました。これにより、設計から施工、検査に至るまでの全ての作業が人力から機械力に変わり、工期や労働時間の短縮が実現しました。これは少ない人手での効率的な作業を可能にしたという点で、大きな進歩と言えます。
さらに、ICT建機はmm単位で設定できる精度があり、これにより工事に発生する土砂を極力減らすことができます。これはコストの削減だけでなく、環境保全にも寄与しています。

ICT施工のメリットとデメリット


ICT施工は、情報通信技術を土木・建設業界に導入するもので、生産性の向上、作業の精度向上、コスト削減、環境負荷の軽減、安全性の向上、そしてデータの蓄積と活用といったメリットがあります。これにより、人手不足の問題の緩和や効率的なプロジェクトの進行が可能になります。ただし、具体的なデメリットについても理解することが重要です。
(参照:ICT施工 https://www.ktr.mlit.go.jp/gijyutu/gijyutu00000021.html)

効率の向上

ICT施工における効率の向上は、その主要な目標の一つです。この目的は、目視や測量の頻度と労力を削減することによって施工効率を高めることにあります。
具体的には、ドローンや3Dスキャナーを使用して3次元データを作成します。これにより、これまで必要だったオペレーターによる目視や作業が不要になります。これは、効率の向上に直接つながります。
国土交通省が公表した「ICT施工による作業時間縮減効果を示す図」によれば、土工では約3割、舗装工および浚渫工では約4割の作業時間縮減効果が見られています。これは、ICT施工が生産性を大幅に向上させるという主張を実証しています。また、このような作業時間の短縮は、人件費の削減やプロジェクト期間の短縮にもつながるため、全体的なコスト効率の向上にも寄与しています。
(参照:ICT施工の普及拡大に向けた取組 https://www.mlit.go.jp/common/001415324.pdf)

施工精度の向上

ICT施工では、取得した3次元データを使って建設機械を自動制御します。これは、精密な測位データを基にして、作業を自動的に進めることを可能にします。
これにより、オペレーターの技量に依存することなく、一貫した高精度の作業を実現することができます。具体的な施工事例としては、土工や舗装におけるマシンコントロール、災害復旧現場での機械の遠隔操作、トンネルや基礎工事での測定やモニタリングなどがあります。
ICTを活用した自動化により、作業者の熟練度に左右されずに一貫した品質の施工が可能となります。これは、労働力の不足やスキルの差による品質のばらつきを減らし、プロジェクトの効率と結果の予測可能性を向上させます。
(参照:ICTの進化によるこれからのしごと https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/pdf/n4500000.pdf)

安全性の向上

ICT施工は、建設機械を自動制御することで、建機周辺での人手による作業を大幅に減少させることができます。これにより、建機の操作ミスや事故のリスクが低減され、作業員の安全性が向上します。
さらに、自動制御の導入は労働災害の予防にも寄与します。従来は人間の操作によるエラーや誤作動が事故の原因となることがありましたが、ICT施工により自動化することで、それらのリスクを軽減できます。
また、ICT施工は少ない人数で工事を進められる利点もあります。これは、作業現場の混雑を軽減し、社会的距離を保つことで作業員の安全を保障する上で、特に重要な要素となります。これら全てが、建設現場の安全性の向上に直接的に寄与します。
(参照:ICTの活用により 建設機械との錯綜作業が約 66%減少し、安全性が向上!
https://www.cbr.mlit.go.jp/kensetsu-ict/pdf/20171115_kisya.pdf)

ICT施工にはデメリットもある

ICT施工を導入する際には、まず、必要な設備の投資が求められます。これには、ドローン、3Dスキャナー、自動制御可能な建設機械、データ解析ソフトウェアなどが含まれます。これらの設備は高価であるため、初期の投資コストは一定の負担となります。
また、ICT施工を適切に運用するためには、操作スキルやデータ分析の知識が必要となります。これらのスキルや知識の習得には時間と教育コストが必要となります。

まとめ

ICT施工は建設業界にとって大きな革新をもたらしています。特に、施工の効率化、精度向上、作業員の安全性確保という面でのメリットは無視できません。例えば、ドローンや3Dスキャナーを利用した3次元データの作成や、そのデータを用いた自動制御機能の導入により、人手による測量や操縦作業を大幅に削減し、作業の精度を向上させることが可能となりました。
一方で、ICT施工を導入するには、高価な設備の投資や、新たな技術やソフトウェアの習得というデメリットも存在します。これらは当初のコスト負担や時間負担となり得ますが、その後の効率化や精度向上、安全性向上といったメリットを考慮すれば、導入の検討は十分に必要と言えます。
今後、ICT施工の技術はさらに進化し、その導入は建設業界においてますます一般的になるでしょう。これにより、より効率的かつ正確な建設現場の実現が期待されます。

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この記事を書いた人


株式会社助太刀マーケティングチーム

助太刀社員 転職サポート編集部

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