建設業の仕事で抱えやすい悩み・その原因とは？

建設業は体力的に大変ではあるものの、精神的にはそれほどきつくない、というイメージを持たれることは少なくありません。しかし、どんな職業でも、仕事に関する悩みはあるものです。実際、建設業においても、仕事の中でストレスを感じている人はいます。
今回は、建設業の仕事で抱えやすい悩みやその原因について見ていきましょう。

建設業の若手が抱えがちな仕事の悩みとは

建設業で働く人の中でも、特に若手が抱えやすい仕事上での悩みをいくつか紹介します。

仕事がなかなか覚えられない

若手の悩みで多いのが、仕事をなかなか覚えられないことです。同じミスを何度もしてしまい、先輩や上司から注意を受けて、自信を失って悩む若手は多くいます。
建設業の現場は単純な力仕事も多いですが、専門的な知識を必要とする仕事も数多くあります。また、安全面を考慮しつつ作業しなければならないため、気を遣う場面も少なくありません。そのようなことから、経験の少ない若手のうちは覚えることも多く、一つひとつの仕事・作業の質が下がりやすい傾向にあります。
しかしそれは、建設業の世界に入ったばかりの新人であれば仕方のないことです。先輩にアドバイスを受けて、一つひとつ覚えていくしかありません。
仕事の量が多い、新しいことが覚えきれないという場合、まずはメモを取ってみましょう。やるべきことをまとめておくだけでも、頭の中が整理されて、スムーズに進みやすくなります。

人間関係がうまく作れない

人間関係も、若手が悩みやすいことのひとつです。
建設現場で働くのは同世代の人だけではなく、年代や価値観の違う人が集まっています。厳しい人や寡黙な人などさまざまで、そういった人とうまく関係を築けず孤立してしまいがちになり、悩んでしまうことがあります。
しかし、そもそも現場の人全員と仲良くする、うまく付き合うのは難しいものです。まずは身近な数人からコミュニケーションを増やすなどして、少しずつ関係性を作っていくとよいでしょう。
また、苦手だと感じる人がいたとしても、そのことに悩みすぎず「現場には色んな人がいる」という前提を持ち、お互いの考えを尊重する姿勢を持ちましょう。

上司が厳しい

上司から厳しい叱責を受けてしまった場合、そのことを引きずって悩んでしまうという方も多いのではないでしょうか。
実際、頭ごなしに厳しく怒鳴る人や、気性の荒い上司は少なくありません。
ただ、建設業は作業中の少しの油断が大きなトラブルになることも多く、時にはつい厳しい口調で注意してしまう先輩や上司もいます。それは、仲間を守りたいという責任感からきているのです。なので、あまり気にしすぎないことも大切です。
まずは、休憩中や仕事終わりなどの時間を利用して、少しずつコミュニケーションを取ってみましょう。お互いの気持ちを理解し、尊重し合えるようになってくると、信頼できる関係性が築けます。

体力を使う

若手のうちは体力面の不安も悩みとなりやすいでしょう。
建設業は体を動かす仕事ですから、毎日働けば体力面でも辛さを感じてしまうのは仕方ありません。こんな日々が今後も続くとしたら、自分はやっていけるのだろうかと心配になることもあるでしょう。特に、技術や経験がないうちは効率よく動けず、余計に疲れてしまいます。
体力をつけることはもちろんですが、現場でしっかり経験を積んで技術を身につけることが一番の解決法です。現場には中高年の方も多くいますが、彼らの仕事ぶりをみて動きを真似てみたり、直接アドバイスを受けてみたりするのもよいかもしれません。

将来のキャリアに不安がある

少し経験を積んだ若手に多い悩みが、将来のキャリアへの不安です。
建設業でキャリアアップするためには、職場や同僚からの信頼を得ることはもちろんですが、資格取得も重要です。しかし、仕事で疲れて家でなかなか資格の勉強ができず、このままでいいのかと悩んでしまうこともあるでしょう。
建設業の資格は知識も必要ですが、経験が何よりも大きな糧になります。将来どのようなキャリアを目指すか明確にし、一つひとつの仕事をこなして多くの経験を積んでいきましょう。

建設業で悩みの原因となりやすい点とは？

ここまで、若手が抱えがちな仕事の悩みをいくつか紹介しました。実際にはこれらに加えて、建設業特有の働き方が引き起こす悩みもいくつかあります。

工期の厳守

建設業では、工期は顧客や自社の利益のために重要なポイントであり、厳密に管理されています。特に下請け企業の場合、元請けからも工期を厳守するように求められます。
ただ、建設現場は天候や自然災害などにより、思うように作業が進まないことも少なくありません。例えば、梅雨の時期で作業が進まなくても、工期は厳守しなければならず、常に締め切りに追われてピリピリした中で仕事を進めなければなりません。また、お互いに不満が溜まり、口調が荒くなったりイライラしたりしてしまうケースもあるでしょう。
このような常に工期に追われるという状況が、精神的疲労や人間関係などさまざまな悩みに派生してしまう場合があります。

労働時間の長さや休日の少なさ

労働時間や休日に関することも悩みにつながりやすい点です。
現場や案件にもよりますが、納品までの残り期間が少なくスケジュールが遅れ気味になってしまうと、休日出勤や残業などが発生する場合があります。もちろん、その分だけ手当はつきますが、体力的にはきつくなります。
プライベートの時間をあまり取れなくなり、ストレスや悩みの種になりやすいのです。

悩みを抱えたまま働くリスク

悩みを抱えたまま働き続けることは、さまざまなリスクにつながります。
ストレスが高い状態になると、眠れなくなったり集中力がなくなったりします。その結果、判断力が低下して不安全行動につながり、作業中の事故を引き起こすリスクがあります。
大きな事故になれば自分はもちろん仲間を怪我させるだけでなく、スケジュールも大幅に遅れてしまうものです。
悩みを抱えたまま働くことはとても危険であるといえるでしょう。

仕事で悩んだ時は転職も選択肢に

悩みは人それぞれであり、時間をかけてもなかなか解決しないこともあります。仕事に強いストレスを感じているならば、転職することも選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。
建設業といっても職場によってまったく雰囲気が違います。転職先の職場では、抱えていた悩みについての対策がされている可能性もあります。そのような職場であれば、ストレスを感じにくくなり、自分の力を思う存分引き出して活躍しやすいのではないでしょうか。
強いストレスを感じているなら、無理をして働き続けるのではなく、無理せず働きやすい職場を探してみてください。

まとめ

今回は、建設業の仕事で抱えやすい悩みについて解説しました。
建設業に限らず、どんな仕事でも抱えやすい悩みはあるものです。仕事をしていれば誰もが少なからず悩みを持っていることでしょう。その悩みとどう付き合うか、解決・緩和するためにはどうしたらいいかを考えることはとても大切です。もちろん、一人で悩み続けるのではなく、友人や上司に悩みを打ち明けて相談してみるのもよいでしょう。
とはいえ、ストレスを我慢して悩みを抱え続けなければいけないかといえば、そうではありません。特に建設業は、ストレスを持ったまま働き続けると、安全を損なうリスクがあります。今の職場で悩みがあり、仕事に集中できない…と感じたならば、転職も検討してみましょう。新たな職場であれば、今感じているストレスを感じずに働けるかもしれません。

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