建築業界で転職をする際に必要な書類である工事経歴書ですが、意外と書き方は知られていないようです。
どのような現場でどのような業務をしていたかを明確にするために有効な書類ですので、転職を考えている人は準備が必要です。
今回は、工事経歴書の書き方やコツなどについて紹介します。
工事経歴書とは
一般的に「工事経歴書」というと、建設業許可書や決算報告書などを提出する際に添付する書類のことを指すことが多いです。
しかし、建設業界では特に施工管理技士が転職する場合に「履歴書」と「職務経歴書」に加えて「工事経歴書」を提出する場合があります。
ここでは、建設業界で転職する際に必要になる「工事経歴書」について紹介します。
職務経歴書との違い
多くの場合、履歴書に加えて職務経歴書を提出します。職務経歴書は、今までどの会社で働いて、どのような業務を行ってきたかを記載するものです。
それに対して工事経歴書は、今まで担当してきた工事名や工期、金額、工法、規模、担当業務などを記載します。
工事経歴書を提出することにより、企業は即戦力になりうる人材かどうか評価・判断ができます。
どんなことを書くのか
工事経歴書は職務経歴書よりも、さらに応募者が専門的なスキルや経験を持っているかどうかを判断するために必要な書類です。
実際に担当した現場の工事内容や規模など、工事の詳細を書くことで自己PRができます。
書いたほうが良い理由
転職をする場合、ほとんどの企業は即戦力を求めています。工事経歴書は即戦力かどうかを判断するうえで、一番重要な書類です。
履歴書や職務経歴書にいくら自己PRを記載したとしても、全て目を通してもらえる保証はありません。
そのため、工事経歴書をしっかりと書き自身の実績や経験をアピールすることで、企業が応募者に興味を持ちます。
企業によっては工事経歴書を提出するかどうかで、初めの年収が10万円以上変わる場合もあります。
工事経歴書を書く場合・書かない場合の違いは?
建設業界で転職を行う場合、工事経歴書を提出するということには大きな意味があります。工事経歴書を提出することで、応募者の経験や実績が明確になるからです。
そのため、可能であれば提出することをおすすめしますが、提出しなくてもいい場合もあります。
ここでは工事経歴書を書く場合と書かない場合について解説していきます。
工事経歴書を書く場合
施工管理技士などの建設技術者が転職をする場合、企業や求人サービスに対して工事経歴書を提出する必要があります。企業や求人サービスが、応募者が即戦力となりうるかどうかを判断するためです。
工事経歴書は、転職の合否だけでなく就職後の給与・ボーナス・年収に大きな影響を与えます。
そのため、履歴書と職務経歴書だけで応募した際には改めて工事経歴書の提出を求められる場合がありますのです。
しかし、職務経歴書と工事経歴書の役割を理解できずに上手く書き分けられていないことも少なくありません。
書類がしっかりと書けていないと、書類作成が下手な人材と判断されることにもつながるため、提出前には役割を理解してから書類作成を行いましょう。
工事経歴書を書かない場合
建設技術者以外の求人であれば履歴書と職務経歴書のみで応募が可能です。
しかし、より自分の実績をPRする際には工事経歴書を準備することで自身の今までの実績や経験を伝えられます。
より良い条件での転職を希望する場合には、必須ではなくても工事経歴書を準備することで企業に良い印象を与えることが可能です。
工事経歴書の内容
工事経歴書の書き方は専門性が高く分からないという人も少なくありません。基本的には建設業許可の申請書類の書き方を見本にすると良いでしょう。
また、ネット上にはフリー素材に様々な種類のテンプレートがあるため、参考にしてみるのもいいかもしれません。
ここでは、記載したほうがいい内容について紹介します。
注文者
工事の注文者を記入します。発注者が個人の場合は、氏名が特定されない書き方をするように気を付けましょう(「個人A」など)。
また、企業名が分かればそちらを記載することで請け負った工事内容が伝わりやすくなる場合があります。
工事名
請け負った工事の名称を記入します。この時も個人が特定されるような書き方は避ける必要があります。
名称について記載が難しければ、行った工事内容を記入しても良いでしょう。
請負代金の額
工事の請負代金について記入します。共同企業体として工事を行った際には、全体の金額から出資の割合の金額を記載します。
また、工事進行基準を採用していた場合には、当該工事進行基準が適用される完成工事については、括弧書きで完成工事高を追記しましょう。
工期
工事の期間を記載します。着工年月と完成年月に分けて記入します。
業務内容・担当業務
実際に行った業務や担当した業務を記載します。ここが自身をPRできる部分になるため、できる限り詳しく書きましょう。
また、主任などの任された肩書きがある場合には記載すると良いでしょう。
工事経歴書の目を引く効果的な書き方
転職時の失敗で多い例としては工事経歴書の書き方が分からず、職務経歴書との差別化ができないことが挙げられます。
フォーマットは上述のようなテンプレートがネット上にたくさんあるため、それを参考にすれば問題ないでしょう。
ここでは、工事経歴書を書く際に心がけたい4つのポイントについて紹介していきます。
簡潔でシンプルに書く
工事経歴書は企業の採用担当者が目を通す書類です。特に大きな企業となると、たくさんの書類に目を通さなければなりません。
そのため、分かりにくい工事経歴書だとどんなに良い内容でも見てもらえない可能性があります。
必要事項をシンプルに羅列する形のほうが、読みやすくておすすめです。
数字など、具体的な内容を意識する
数字や具体的な内容はできるだけ取り入れましょう。工事現場の規模によって工事の難易度も変わります。
数字が明記されていることにより規模感が伝わり、応募者の力量がより伝わりやすくなります。
どの立場で仕事をしたのか明記する
どの立場で仕事をしているかは重要なポイントです。例えば「民間工事か公共工事」や「元請けか下請けか発注側か」など立場によって仕事の理解度も違います。
特に企業側と同じ立場なら即戦力として見込めますし、違ってもその経験が活きてくる場合もあります。
さらに、上長や主任といった役職などもあれば記載しましょう。マネジメント力の有無は建築業界でも必要とされる能力の一つだからです。
他の書類と違いがない
前述の通り、転職の際には工事経歴書以外にも履歴書や職務経歴書を提出する必要があります。
別の書類に記載してある内容と工事経歴書で違いがあると、たとえ誤記であったとしても不信感を与える原因となりかねません。
特に「工期」や「工事内容」などに差異があると、書類の不備以上のマイナスイメージを与えることになってしまいます。
それだけでなく重要な書類に不備があることから、大雑把な性格というイメージも与えてしまうため、提出前に今一度確認しましょう。
まとめ
今回紹介した工事経歴書は建設業界での経験をPRするための重要な書類ということが分かりました。
しかし、専門的な内容も多いため、突然作成するとなると大変かもしれません。
あらかじめ転職を意識しているのであれば、エクセルなどに実績などをこまめにデータ化しておくと負担が少なくなります。
自分の実績や経験を見える化するという観点でもおすすめですので、ステップアップのために工事経歴書を作成してみてはいかがでしょうか。
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